とんど
とんどの場所
柱の建て起こし
足竹取り付け
旧しめ縄取り付け
袴囲い
焚き物積み上げ
葭立て込み
竹囲い
燃え上がり
柱の切り出し
残り火



とんど」 とは、一般的に、「左義長」と称されるのですが、ここでは、昔からの言い伝えにこだわって、「とんど」と言います。


 1.竹の切り出し
 2.受け入れ
 3.柱の製作
 4.建て込み
 5.足竹の取り付け
 6.旧しめ縄釣り込み
 7.袴取り付け
 8.柴入れ
 9.葭建て込み
 10.引き竹
 11.囲い竹
 12.七五三縄製作
 13.点火準備
 14.点火
 15.燃え上がり
 16.柱の切り出し
 17.残り火




 1.竹の切り出し
先頭へ
前へ
次へ

 
 

竹切り1 竹切り2
とんどに使う竹を切り出します。

用途は、「柱」、「穂竹」、「音竹(鳴り竹)」、「棚竹」、「引き竹」等です。
現在は、孟宗竹ですが、昔は、真竹を使っていました。(入手が容易)

柱の目印 柱寸法確認
柱の竹

柱に使える竹を選び、印を付けます。
切断後には、念のため、長さを確認します。
(最小7尋半)
切断1 切断2
寸法切り

使う用途に合わせて、必要な長さに切ります。
枝打ち1 枝打ち2
枝打ち

頭飾りに使う枝を落とします。
竹は焚き物に使います。
竹枝

竹枝

頭の穂竹に用います。
運搬トラック1 運搬トラック2
持ち帰り

車に積んで、持ち帰ります。




 2.受け入れ 先頭へ

次へ

 
 

竹材(長)
柱材
竹材(焚き物)
焚き物

運搬トラック


竹囲い材
竹囲い
穂竹



荷下ろし1 荷下ろし2
荷下ろし

皆で手分けをし、集積します。
長物集積
長物
短物集積
短尺物

集積

サイズ毎に集積します。
先端部、枝材の集積
先部、枝







 3.柱の製作 先頭へ

次へ

 
 

 3−1.作業台設置

くい打ち 作業台
作業台を設置

丸太を組んで、作業台を仮設します。
 3−2.柱材をセット


柱の位置合わせ 柱材のセット状態
柱材セット

三本の根本の位置を合わせて、作業台にセットします。
立てた時、恵方に近い柱が心柱になります。

全長合わせ

寸法合わせ

3本の柱を合わせて、同じ長さに切り落とします。
 3−3.結束


切り込み
切り込み状態

切り込み

鉄線で束ねた場合に、ずれ無いように切り込みを入れます。
溝の拡幅


拡幅

なたで鋸の溝幅を広げます。
柱の結束


先端部の束ね

鉄線で束ねます。(2カ所)

以前は、藁でしたので、束ねてから折り返して、括っていました。
 3−4.穂竹の取り付け


節抜き

節抜き

穂竹を差し入れるために、節を抜きます。

この時は、整地に使うじょれんの柄を使っています。
下枝の払い

枝払い

穂竹の柱に入る部分の枝は払います。
穂竹の挿入 柱間の穂竹
穂竹の取り付け

本数は、中央、柱の中、柱の間の7本です。
 3−5.枝巻


枝の差し始め 枝の差し込み状態
巻始め

穂竹にふくらみを出すために竹枝を巻きます。
最初は、柱を束ねている一番上の鉄線の隙間に、差し込みます。
枝を巻く 竹枝の巻き終わり
枝巻

引き続いて、縄で括りながら下に向かって巻いて行きま す。
(次の鉄線位置ぐらいまで)
 3−6.飾り緒

飾り緒の括り始め

括り始め

穂竹から、1尋下の位置から上の方に向かって、男結びで 括っていきます。

結び目は、柱を立てた場合に、恵方の方角に向くようにします。
結び目詳細1 結び目詳細2
結び作業
結び目詳細3 結び目

結び終わり 飾り緒の全景
飾り緒全景

括り終えると、建てた時に下の長さが揃うように切ります。
 3−7.扇と御幣

閉じ止め製作 閉じ止め削りだし
閉じ止め

竹を細工して、閉じ止めを作ります。
扇の閉じ止め 束ねた扇
閉じ止めと組み立て

細縄で括り、扇が閉じないようにしてから、3枚の扇をまとめます。
扇受け1 扇受け2
扇受け

飾り緒の場所に取り付けます。
扇の取り付け1 扇の取り付け2
扇の取り付け

受けに3枚の扇を鳳凰が羽を広げたように結わえます。
御幣と垂れ緒

御幣と垂れ緒

真ん中の扇に御幣と垂れ緒を取り付けます。
御幣と扇

翻る扇




 4.建て込み 先頭へ

次へ

 
 

整地1 整地2
整地

とんど場の敷き砂利を掻き取ります。
建て起こし

建て起こします。
建て起こしの根元部 柱と、突き上げ用梯子
建て起こし

梯子を使い、建てていきます。
移動1 移動2
移動

とんどの位置まで、移動します。
縄張り

縄張り

位置と寸法と方向を決めます。
くい打ち風景 くい材
くい打ち

足元を固定のために、くい打ちを行います。
ねじり修正風景

ねじり修正

ねじりを修正して扇を恵方に向けます。
杭の結び目

根元固定

修正が済むと、わら縄で結わえます。
張り綱 鉄線
張り綱

倒れないように三方から、鉄線で張ります。
この鉄線は、とんどの時の引き倒しにも使います。
昔は藁縄でした。
柱の建て起こし全景

全景




 5.足竹の取り付け(のの竹又は巻竹) 先頭へ

次へ

 
 

高さ合わせ

高さ合わせ

取り付け高さは袴の高さに合わせて決めます。
足竹の端

足竹の端

心柱から左回りに巻始めて、心柱に戻ってきます。
上の節に結わえた縄で、高さを調整しながら作業を進めます。
中間の柱当たり1 中間の柱当たり2
中間の柱当たり

柱に当たる部分を切り欠き、曲げながら柱に結わえます。
組み立て風景1 組み立て風景2
組み立て風景
足竹完了

完了

5段で、組み立て完了です。




 6.古 しめ縄釣り込み 先 頭へ

次へ

 
 

古しめ縄

古しめ縄

ここでは、「ゴンボ」と言います。
昨年、三栖神社の拝殿に吊られていた、しめ縄です。
梯子掛け取り付け

梯子掛け

柱の途中に、梯子を掛けるための縄を張ります。
ゴンボの釣り込み風景 ゴンボの釣り込み詳細
ゴンボの吊り込み

古しめ縄を、株側を恵方の柱に固定し、左回りに取り付けます。
重いので、足竹の最上段からも、竹棒で突き上げて、作業を補助しています。
ゴンボの釣り込み完了

全景




 7.袴取り付け 先 頭へ

次へ

 
 

袴の取り付け開始  
開始

取り付け開始の場所は決まっていません。
結び目詳細1 結び目詳細2
垂らし初めと、終わり

最後は、足竹に結んで終わります。
取り付け風景1 取り付け風景2
取り付け風景
取り付け風景3 取り付け風景4

恵方の御幣

恵方の御幣

2段目の恵方の位置に刺します。
袴の部分1 袴の部分2
袴の完了

昔は、上から2段は、注連縄の垂れが密な物を張り巡らせていました。
袴の仮七五三縄1 袴の仮七五三縄2
仮七五三縄

次の作業日まで、期間があるので「神さん事のため」に、七五三縄を張ります。
袴完了の全景

全景




 8.柴 入れ 先頭へ

次へ

 
 

木っ端
木っ端
稲藁
稲わら

柴材

とんど全体で使う稲わらの量は、130束程度です。
(田の面積では、1.5反程度です。)
選定枝
選定枝



音竹入れ1 音竹入れ2
音竹入れ

竹を入れて、棚を作ります。
積み込み状態1


材木入れ 藁束入れ
柴入れ作業

棚の上に木っ端、選定枝、稲わらを積みます。
足竹の各段毎に、柴を積み込んでいきます。
柴入れ作業遠景 積み込み状態2

最上段への材木供給 最上段の柴入れ
最上段の積み上げ

最上段の足竹上にも、積み上げます。
最上段へ藁束供給


柴入れ部の全景

柴入れ完了
垂れ縄

垂れ縄

何気なく、上から垂らした縄ですが、上がり降りに使います。
柴入れ完了

全景




 9.葭建て込み 先頭へ

次へ

 
 

葭材  
葭材

宇治川に自生する葭を刈り取って来ます。
葭束製作1 葭束製作2
葭束

建て込みと持ちやすさの為に、30センチ程度の束にします。
葭受け縄の取り付け 葭受け縄の取り付け
葭受け

葭束を建て込むための縄を、柱間に渡します。
葭の荷揚げ 上段葭の建て込み1
上段葭の建て込み

葭束を、葭受けの中に建て込みます。
上段葭の建て込み2 上段葭の建て込み3

下段の葭

下段の葭

柴の周囲にも、葭束を立てかけます。
葭建て込み全景  
全景




 10.引き竹 先頭へ

次へ

 
 

引き倒し竹取り付け 引き倒し竹全景
倒す方向の柱に取り付けます。
昔は、とんどが燃え上がって倒す場合に、この竹を引いて倒していましたので、柱を移動しやすくするために、足竹を柱から切り離した時に、瓦を柱の下に入れました。

今は、とんどを支えるのが鉄線なので、柱の根本が、 移動しない様に使います





 11.囲い 先頭へ

次へ

 
 

竹の立て掛け1 竹の立て掛け2
立て掛け

とんどの周囲に竹を立て掛けます。
縄掛け  
縄掛け

倒れないように藁縄で、縛ります。
竹囲い全景

全景




 12. 七五三縄作り 先 頭へ

次へ

 
 

縄綯い1  
縄綯い(ナワナイ)

七五三縄は、字の通り、3、5、7本の繰り返しで、垂れ藁の穂先を入れながら、なっていきます。
縄綯いと補給 縄綯い2
入れ役の人が、垂れ藁、縄藁を渡していきま す。
出来上がった七五三縄

七五三縄の完成

約12ひろの長さです。
七五三縄張り 竹囲いの七五三縄張
七五三縄張り

囲い 竹の周囲に張り巡らします。
七五三縄の御幣

七五三縄の御幣

縄の所々に、御幣を挟んで垂らします。
完成全景1 完成全景2
全景

これで、とんどの準備が出来ました。




 13. 点火準備 先頭へ

次へ

 
 

 13−1.散水
散水

周囲の火災を防ぐために、境内の樹木に散水します。
 13−2.切り離し

杭の切り離し1 杭の切り離し2
柱を倒す準備

足竹、柱、杭を結わえていた、縄を切り、離します。
足竹を柱の位置で、ナタを使い切断します。

 13−3.藁の投入

藁の投入1 藁の投入2
点火し易くするために、藁を入れます。




 14. 点 火 先 頭へ

次へ

 
 

着け藁
種火
種火

早朝6時、神社に詣でた後、神主のつけた種火を各自の藁に移します。

昔は、火を火打ち石で作っていました。
(火を起こすのは、火打ち石、ふくち、付け木、藁束の順で大きな火にします。)
点火1 点火2
点火

一斉に点火します。




 15. 燃え上がり 先 頭へ

次へ

 
 

燃え上がり1 燃え上がり2
点火された火は、勢いよく、燃え上がります。




 16. 柱の切り出し 先 頭へ

次へ

 
 

引き倒し

引き倒し

炎が上まで上がると、上部に取り付けられた、鉄線を引いて柱を倒します。
引き出し1 引き出し2
引き出し

倒した柱を引いて、燃えるとんどから放します
燃える穂竹

まだ、穂竹の部分は 赤々と燃えてます。
柱の切り出し1 柱の切り出し2
柱の切り出し

燃えない縁起物として、柱の根本と、上方部を切り出します。
神社、地元の有志、神社の関係役員等に配られます。
残りは、70〜80センチに切ってからカケヤで割った物を置いておきます。見に来た 人々が、とんどの火で焦がし、「火除け」として持ち帰られます。




 17.残り火 先 頭へ

次へ

 
 

残り火

残り火

夜も明けて、明るくなると、灰の山のような、残り火になります。
昼前に、小さくなった残り火を消し、灰等の後片づけをして、終わりになります。





 終わり 先 頭へ